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発見者が徹底解説!塩坂邦雄先生と行く糸静線「巨大露頭」レポート

好評につき3回目の実施

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千代田タクシー「旅タクツアー」で毎回満席となる人気企画「発見者が徹底解説!塩坂邦雄先生と行く糸静線「巨大露頭」」ですが、初回は2018年2月の「駿河東海道おんぱく」にて、その際にキャンセル待ちとなった方からのアンコールで5月に2回目を開催。そして2019年も「駿河東海道おんぱく」において、プログラムの1つとして3回目の開催となりました。今回もジャンボタクシー2台をご用意したのですが、満席での出発となりました。

出発場所は、静岡駅北口駅前交番前。こちらに全員集合していただき、ジャンボタクシーに分乗してツアーの始まりとなります。

 

県庁の真下を断層が通っている!

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まず最初は駿府城の外堀。ちょうど写真に静岡県庁が映っていますが、こちらで下車して塩坂先生の講義がスタートです。

2009年の駿河湾地震の際に、震源に近かった御前崎や焼津では震度6弱を記録しましたが、ここ静岡市葵区でも震度5強を観測しました。静岡市内に関しては大きな被害は報告されていなかったんですが、その際に大きく崩れたのが写真の石垣です。

地震というものは、均等に揺れるのではなく、断層の上というのは、特に揺れが強くなるそうで、写真の石垣部分も真下に断層が通っている影響で石垣が崩れたものと思われるそうです。写真では、その奥に県庁が見える…ということは、その県庁の真下に断層があると思うと、ちょっと恐ろしい気がしました。

 

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そこから、内堀に入り、道路と内堀の水面との高さを見てみます。東御門当たりでは道路と水面の高低差は大したことありませんが、そのまま反対側の雙葉高校付近まで行くと道路と水面との差が大きいことに気が付きます。これは断層を境に西側が隆起したことによって高低差が発生しているとのこと。

上の写真は続いて観察した市内某所。フェンス下の石垣を見ると、こちらがわが隆起した影響で、なだらかに写真奥に向かって下り坂になっているのがわかります。

このように、何気ない日常に見える景色の中に、断層の動きによる影響というものが出ているということだそうです。

 

ケルンコル・ケルンバットを観察

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糸静線の断層を追って、もう少し北の方へジャンボタクシーを進めます。写真の下に見えているのは新東名高速道路です。写真右の賎機山と中央付近に少し盛り上がった部分が見えていますが、この間を断層が通っています。この断層によって凹んだ部分が「ケルンコル」、そして逆に断層によって隆起した部分が「ケルンバット」と呼ばれるそうですが、この場所から見ると、ケルンコル・ケルンバットのおかげで、断層の様子がよくわかります。

 

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当然、新東名の真下を糸静線という活断層が通っているわけで、新東名高速道路を真下から見上げてみます。まさに写真部分の真下を糸静線が通っていますが、高架橋をよくみると、全国でもここだけと言われている特殊な工法によって高架橋が造られていることがわかります。高架橋の内部は吊り橋構造にもなっていて、仮に橋げたが外れたとしても、吊り橋構造によって高架橋が落ちることは無いように設計されているのだとか…。ただ、通過する車の台数によっては重量オーバーの可能性も否定できないそうです。

 

竜爪山を越えて竜爪露頭へ

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ここからツアーは細い山道へと入り、竜爪山の山越えをしていきます。竜爪山の登山口でもある穂積神社を過ぎて下り始めてしばらくしたところでジャンボタクシーが停車。

ここで先生の講義がはじまりますが、ここにあるのが「竜爪露頭」と呼ばれるもので、糸静構造線において、静岡市付近で見られるのは、ここしか無いとされていた場所なんです。看板があるおかげで、かろうじて場所はわかりますが、言われなければ通り過ぎてしまうほど目立たない小さな露頭です。

 

清水区西里「食事処たけのこ」にて昼食休憩

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気が付けば、あっという間の3時間。ここで清水区西里にある「食事処たけのこ」で昼食休憩です。

 

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こんな感じの昼食です。なかなかのボリュームですよ。地の物を使った昼食をいただいて、しばし休憩…?

 

プロジェクターを使用した先生の講義で午後もスタート

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と、休憩もそこそこに午後の予定が始まります。午後はプロジェクターを使用して、分かりやすく、午前に回ってきた部分の説明から、糸静線・フォッサマグナ等の話へと進んでいきます。さらに、この先行くことになる「巨大露頭」の予習を終えて、いよいよ今回のツアーでのメインイベントとなる「巨大露頭」へとご案内です。

 

巨大露頭へは山道を片道40分

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ジャンボタクシーで行けるとこまでは行きますが、そこから「巨大露頭」までは山道を40分ほど歩いていきます。写真のような「わさび田」や沢を登って「巨大露頭」を目指します。

 

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途中には、写真のような、まるで平均台のような橋をいくつも越えていきます。また、野生イノシシ除けの電気柵もあちこちに張り巡らされていて、片道40分は冒険気分です。

そしてワサビ田を縫うように山道を登っていくと待望の「巨大露頭」が姿を現します。

 

これが糸静線「巨大露頭」!

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写真の上部中央から左下に掛けて見える線が糸魚川静岡構造線「通称糸静線」です。つまり、この線が糸魚川~静岡までつながっていて、正に日本を分断している断層なのです。写真上部の方まで登っていくと、実際に断層が動いた際にできる「条線」と呼ばれる傷跡もはっきりと残っていて、見ることができます。地球が動いているということを実感できる場所です。

 

断層に触れる

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これだけの「巨大露頭」なので、将来的には天然記念物に指定される可能性が高いとされています。そんな天然記念物級の断層面に触れることができる貴重な体験です。恐らく

天然記念物に指定されると、触れることはもちろん、間近で観察することも難しくなってしまうかもしれません。

 

とても貴重な資料

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ここだけは、とても貴重なので塩坂先生からも触れてはいけないと指摘があったのが、写真の2つの小石。これは断層に接している「断層粘土」と呼ばれる所にある小石で、2つとも同じ方向に向いているのがわかりますか?

これによって、断層がどの方向に、どのように動いたのかがわかるそうで、とても貴重だということでした。

 

最後に記念撮影

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最後に、この糸魚川ー静岡構造線の巨大露頭と共に、先生を囲んで記念撮影です。

ここから、わさび田を下っていき、トイレ休憩を済ませてから、ジャンボタクシーでツアーの出発点「静岡駅」へと戻ります。

9時に出発したツアーですが、気が付けば夕方5時前。内容の濃い1日を過ごすことができました。

 

千代田タクシーでは富士川断層のツアーも企画しています

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千代田タクシー「旅タクツアー」では、糸静線「巨大露頭」ツアーはもちろん、こちらも塩坂先生が徹底解説をしてくれる「富士川断層」ツアーも企画予定です。

富士川断層は国内では最大、世界でもトップレベルの「ズレ」が生じている断層とのことで、この断層が動くことによってM8クラスの地震が起きる恐れがあるとされています。ただ、塩坂先生曰く「ここの地震は予知が可能」とのこと。そんな貴重な講義を受けることができるツアーです。

開催が決まり次第、千代田タクシーホームページの「新着情報」にアップされますので、ホームページをチェックしてみてください。