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高野山:壇上伽藍と奥の院の参拝の見どころ

1200年の歴史を持つ仏教の聖地

高野山 奥の院

高野山は 和歌山県北部の標高800mにある真言宗の総本山です。仏教 真言宗の総本山と聞くと それ以外の宗教や宗派の人は 訪れてはいけないのか?というと そうではなく 誰にでも開かれている場所でもあります。そんな 高野山の2大聖地でもある壇上伽藍と奥の院の参拝について 見どころ等を ご案内していきます。

壇上伽藍

高野山 壇上伽藍

高野山へ主なアクセスルートは 南部の熊野・龍神方面からの国道371号(高野龍神スカイライン)又は 北部 京奈和道の紀北かつらぎICから国道480号の2つとなります。公共交通を利用の場合は なんば駅から南海電鉄の特急こうや で極楽橋駅へ行き そこから高野山ケーブルで高野山駅へ。そこから路線バスで 高野山の中心部へアクセスができます。

北部側から大門を抜けて左側に広がるエリアが「壇上伽藍」と呼ばれる場所です。壇上伽藍には数々の堂宇が建立されていますが その中でも 見ておいた方がいいものを 厳選してご紹介していきます。

御社(みやしろ)

高野山 壇上伽藍

南側の中門(ちゅうもん)から壇上伽藍に入り 正面に見えるのが高野山の総本堂でもある金堂(こんどう)です。そこから時計回りに左へと進んでいきましょう。すると レバーのようなものが付いたお堂が見えませんか?これが六角経蔵(ろっかくきょうぞう)です。

この六角経蔵の中には 一切経というありがたいお経が納められているのですが 下のレバーのようなものを時計回りに1周押すことにより このお経を称えたことと同意となります。これは ぜひ回してください。その右奥に見えるのが 写真の御社(みやしろ)です。

高野山と聞くと お寺や仏様が多い印象ですが 同じくらい神様もいらっしゃるんです。その神様を一番格式の高い西側に配置し高野山の守り神としています。高野山という神仏習合を体現している場所と言えるでしょう。

三鈷の松

三鈷の松

金堂の周囲を時計回りに進むと 金堂の真裏に二重の柵に囲まれた松の木があります。これが三鈷の松です。空海が中国から仏教を日本に広めるために どこがいいのかと 三鈷という仏具を日本に向けて投げ飛ばしたところ この地にある松に引っかかっていたと言われています。そして 松の葉というと通常2枚 または5枚なのですが こちらの松は 空海が投げたとされる三鈷と同じ 3枚の葉が特徴です。

秋から冬にかけて落葉する この三つ葉の松を お守りとして 財布に偲ばせていると 金運が上がると言われています。緑のものよりも 黄色(黄金色)のものの方が効果があるようです。

根本大塔(こんぽんだいとう)

壇上伽藍 根本大塔

高野山のシンボルとも言うべき高さ48mの根本大塔です。こちらは ぜひとも中に入っていただきたい多宝塔となります。

中に入ると 中央に大日如来坐像。その四方に金剛界の4如来(阿閦(あしゅく)如来・宝生(ほうしょう)如来・阿弥陀如来・不空成就(ふくうじょうじゅ)如来)を配置。そして 塔内にある16本の柱には 十六菩薩が描かれており それらによって この根本大塔が立体的に曼荼羅という仏教の教えにおける世界観を表現していると言われています。

胡麻豆腐のおすすめ

高野山 濱田屋

高野山へ行った際に 買いたいものとして胡麻豆腐があります。

高野山の お土産屋さんを覗くと どこにでもあるのですが…せっかくならば 美味しい本物の胡麻豆腐を買いたい!そんな時におすすめするのが写真の胡麻豆腐 濱田屋さんです。

高野山 胡麻豆腐 濱田屋

〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町大字高野山444 MAP

☎0736-56-2343

9:00~17:00(売切終了) 【定休】不定休

こちらの 胡麻豆腐ですが 使用されている胡麻は 白ごまの皮を丁寧に剥いたもの。葛は 吉野葛(吉野本葛を50%使用しているもの)ではなく吉野本葛100%。高野山丸山弁天の清水。この3種類のみで作られています。作る際も 般若心経等を唱えながらという ありがたい胡麻豆腐です。

要冷蔵で 賞味期限は夏季は翌日まで 冬季は 当日含め3日間となっており お土産としては難しいかと思いますが 絶品の胡麻豆腐を食べてみてください。ちなみに イートインも可能です。食べ方としては わさび醤油もいいですが 和三盆を掛けてスイーツとして食べる食べ方もおすすめです。

奥の院

高野山 奥の院

壇上伽藍を拝観した後は 弘法大師空海が入定(永遠の瞑想をすること)している奥の院を参拝しましょう。こちらは 弘法大師信仰において最大の聖地とされています。約2km続く参道には 約20万基とも言われる様々なお墓が並び そのお墓は弘法大師が入定している御廟に近いほど徳があるとされています。

企業墓が多い

高野山 奥の院

奥の院の2kmの参道には 一の橋・中の橋・御廟橋という3つの橋があります。今回の散策ガイドは 中の橋駐車場(186台)からのルートで ご案内していきます。中の橋 の参道を歩いて行くと 企業墓と呼ばれる 各企業の創業者や物故者を弔うためのお墓が並びます。

高野山のお墓には ルールが無いため 各企業は宣伝さながらに 各会社に沿う墓石を用意しています。上の写真はヤクルトのお墓で おなじみのヤクルトが墓石になっていますが この色の石がなかなか見つからなかった貴重なもののようです。

高野山 奥の院

写真は KOMATSUの企業墓ですが 企業墓の多くには 写真のような名刺入れがあって お詣りの際には 名刺を1枚置いてくるといいでしょう。

高野山 奥の院

高野山にお墓のルールはありません。生きとし生ける者であれば 宗教や宗派に関係無く建墓(お墓を建てること)ができます。写真は 企業墓の1つで 社団法人白あり対策協会のものですが 白ありのための お墓です。

他にも 一般的には許されない ペットと飼い主が一緒に入っているお墓もあります。

英霊殿

高野山 奥の院

高野山奥の院にある英霊殿です。第二次世界大戦の戦死者を供養するために建てられたもので 10月の中旬でしたが 紅葉が始まりかけていました。この英霊殿への入口左右に 阪神大震災の供養塔と東北大震災の供養塔があります。

ここからメインの参道へと合流していきます。

化粧地蔵

高野山 奥の院

参道を進んで行くと 右手側に写真のお地蔵さんがいらっしゃいます。こちらの 化粧地蔵様に 自分の化粧道具で お化粧をすると お化粧が上手くなるとか お願い事が叶うと言われています。多くの方が 化粧地蔵様に お化粧をしていくので 同じ表情を見ることはできず 来る度に違った表情を見せてくれます。

五輪塔

高野山 奥の院

奥の院を歩いていると 写真の五輪塔を多く見かけることがあります。その五輪塔には梵字が刻まれていることが多く 何を意味しているのか わかりにくいのですが 参道を進むと左手側に とてもわかりやすい五輪塔があります。

それぞれの石が 空・風・火・水・地を表しており それが この宇宙全てを構成する要素とされており また 大日如来を表しているとも言われています。そういえば…壇上伽藍の根本大塔もよく見ると これと同じ形でしたよね?

織田信長の墓

高野山 奥の院

高野山には 誰もが知る歴史上有名人のお墓も点在しています。そんな中に 小さく ひっそりと織田信長の お墓もあります。

織田信長は 自らを裏切った荒木村重を受け入れた高野山に対し 荒木村重の引き渡しを要求しますが 高野山はそれを拒否。怒った信長が比叡山同様に高野山にも焼き討ちを計画しましたが そんな時に本能寺の変が起こったのです。

その後に 秀吉が信長の想いを引き継ぎ 高野山攻めを計画しますが 大政所(豊臣秀吉の母親)の菩提を弔うための土地(現在の金剛峯寺)を高野山に与えられ 高野山攻めを中止しました(諸説あり)。

御廟橋

高野山 奥の院

写真は 奥の院に架かる最奥の橋 御廟橋です。ここから先は 高野山においても聖域とされている場所で これ以降は 正装・脱帽が求められます。また この御廟橋から先は 写真撮影が禁止されているだけでなく スマホの使用自体が禁止となっているので注意してください。

橋を渡って左手には 弥勒石(重軽石)があり 触れるだけでも 御利益があるのですが 男性なら左手・女性なら右手で石を持ち上げ 一段上に持ち上げることができれば 願いが成就すると言われています。その際に 心がどれくらい悪に染まっているかで 石の重さが変わるそうです。

ただ 弥勒石は弥勒様の代わりなので丁寧に扱ってください。もし 手荒に扱って 万が一割れるようなことがあれば…その者には どのような恐ろしいことが起こるか想像もつきません。 

御廟では 弘法大師空海が今も休まずに瞑想しているとされ そんな弘法大師の元へと毎日欠かさずに食事が届けられています。その儀式は生身供(しょうじんく)と呼ばれ 朝食は朝6時・昼食は10時30分に御廟まで1200年休まずに続いています。

嘗試地蔵(あじみじぞう)

高野山 奥の院

弘法大師空海のお食事は 御廟橋手前の御供所で毎日作られています。そのメニューは朝食は1汁2菜 昼食は1汁3菜が基本とされ 調理された後は 御供所の隣にある 写真の嘗試地蔵に お毒見をお願いし その後に 御廟へ運ばれます。

それもあって こちらには 料理が上手になりたい料理人や主婦の参拝が絶えません。

1200年の時を超えて 今も瞑想を続ける弘法大師空海の息遣いを感じる高野山を一度訪れてみませんか?

高野山の仏具等は下のリンクからお取り寄せが可能です。

香老舗 高野山大師堂

高野山から熊野へ向かうなら龍神温泉がおすすめ

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