大井川鉄道の井川線はアプト式のトロッコ列車
大井川鉄道と言えば、新金谷駅から千頭駅を走るSL機関車で有名です。特にここ数年はトーマス号やジェームス号が走り出して、家族連れに特に人気があります。
6月からは「トーマスフェア」も開催されて千頭駅周辺はトーマス一色になって、とても賑わいます。
でも、千頭から先に「井川線」というトロッコ列車が走っているんです。1日6往復(千頭ー井川は5往復)しています。
この路線はあまり乗る方はいないんですけど、実は見どころ満載で超おすすめの路線なんです。
神秘的な奥大井湖上駅
一番おすすめなのは写真の「奥大井湖上駅」です。「湖上」とは言っていますが、写真で見てもらってわかる通り本当の湖上ではなく奥の山のせり出した部分に駅があります。よくテレビ等でもこの外観は紹介されることが多いので、見たことある方もいらっしゃると思います。両脇の赤い橋は「レインボーブリッジ」と呼ばれています。
さて、駅まではどうやって行くんだと思いますか?奥に見える山から下りてくるには相当険しい感じがしますよね。
今回はこの奥大井湖上駅のアクセス方法をはじめ、アプト式についてわかる範囲内で書きたいと思います。
大井川鉄道の千頭駅から接阻峡温泉方面に走って、途中寸又峡方面と分岐して、長島ダムを過ぎて5分ほどで地図のあたりまで行くことができます。
トンネルの手前を入ると展望所があって、写真のような奥大井湖上駅を撮影することが可能です。撮影を済ませたら、再び県道に合流して、その先に何も看板の無い逆鋭角のところを右折して、急坂を下ると下の写真の駐車場にたどり着きます。
駐車場からは急な階段が見えますので、それを上っていきます。一番上まで上ると「奥大井湖上駅」という看板も出ていますので、そちらの方へ…。ちなみに「接阻峡温泉駅方面」への看板も出ています。そちらへ行くと展望台方面へ戻ることになっちゃいます。
下りの階段はさらに幅が狭く急ですので、足元に気を付けてください。下っていくといよいよ鉄橋が見えてきます。
線路の左側に細い通路が見えていますが、駅に行くためにはこの線路脇を歩いていくことになります。湖面の上を歩いて行くので高所恐怖症の方は下を見ないで歩いていきましょう。とはいえ、渡って行くときは周囲の景色を見てください。常に最高の景色が広がっていますよ。
駅舎に到着しました。この上に2階建てのコテージがあって、1階には6人掛けのテーブルが2つ。2階はテラスに丸太のイスがあって望遠鏡もあるので、そこで景色を楽しむことができます。トイレも1階にありますよ。
ホームには鐘が置いてあるんですけど、これが幸せを呼ぶ鐘「ハッピーハッピーベル」と呼ばれています。実際にここで結婚式をされた方が何組もあるそうです。
日本で唯一のアプト式鉄道
日本では横川~軽井沢間もアプト式を採用していましたが、そちらは廃線になってしまったので、日本で唯一アプト式鉄道というと大井川鉄道の井川線のみになります。
アプト式は急な勾配を専用の機関車を使用して、中央にラックレールを敷き、その歯車を利用して上り下りする方式を言います。写真でも線路の中央に黒いギザギザのレールがありますよね。それがラックレールです。
これがアプト式専用機関車です。アプトいちしろ駅と長島ダム駅ではこの機関車の連結作業を見ることができます。
特にこの連結作業は大人気で多くの人がカメラを持って集まってきます。
長島ダムからは先頭でブレーキをかけながら、アプトいちしろ駅からは最後尾で列車を後押ししながらゆっくりと走行します。
井川線では見どころではゆっくりと走ってくれます。これは長島ダムです。
このアーチ橋も下から見上げることができるのは井川線ならではです。
井川線のネックは…
井川線に乗りたいと思っても一番のネックはその時刻でしょう。本数の少なさもあります。1日5~6往復ですからね。乗り遅れたら大変なことになります。
そして、駅からのアクセスは路線バスに限られますが、この路線バスが列車の時間に合っていません。そのため片道利用も難しい状態になっています。
おすすめ乗車プランを2つ
奥大井湖上駅を堪能するなら、奥大井湖上駅に車を駐車します。
奥大井湖上駅(12:11)
↓
長島ダム駅(12:20着 12:25発)※機関車連結
↓
アプトいちしろ駅(12:33着 12:36発)※機関車切り離し
↓
奥泉駅(12:45着)
奥泉駅で列車を降りると13分後に折り返し列車が来て、奥大井湖上駅に13時34分に戻ることができます。
アプト区間だけを楽しむなら、奥泉駅に車を駐車します。
奥泉駅(12:58発)
↓
アプトいちしろ駅(13:08着 13:12発)
↓
長島ダム駅(13:20着)
長島ダム駅で列車を降りると4分後に折り返し列車が来て、13時52分に奥泉駅に戻ることができます。
詳しい情報は
奥泉駅が最寄り駅の寸又峡に関しては「寸又峡のおすすめ店や散策スポットを紹介(夢の吊り橋ルート案内)」にて詳しくご案内しています。
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