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小田原の知る人ぞ知る 超絶景のアート施設 小田原江之浦測候所とは?

小田原江之浦の知る人ぞ知る施設

神奈川県小田原市に江之浦測候所(えのうらそっこうじょ)という施設があるのを知っていますか?こちらは 写真家で建築家でもある杉本博司氏が 「古代人が思い描いた生命のビジョンを自身の思想をからめながら再現し 現代人が改めて感性を育み 人生の意味を考える場所」というコンセプトのもと 2017年10月9日のオープンした施設です。

ずっと 行ってみたいと思っていた江之浦測候所に行くことができたので その一部を ご紹介していきます。

小田原文化財団 江之浦測候所

〒250-0025 神奈川県小田原市江之浦362-1 MAP

☎0465-42-9170

入館料 事前購入3,300円 当日購入3,850円 ※中学生未満は入館不可

午前10:00~13:00 午後13:30~16:30 【定休】火曜・水曜・年末年始

※完全予約制 定員に空きがある場合 電話予約でのみ当日受付あり

江之浦測候所までのアクセス&予約

江之浦測候所は完全予約制の施設です。当日の定員に空きがある場合に 当日券を販売しますが 朝9時からの電話予約のみで 予約なしに訪れても中に入ることはできません。

その予約時に交通手段について申請をします。公共交通の場合は 最寄りの東海道線 根府川駅より無料送迎バスが出ています。自家用車の場合は 駐車料金は無料ですが 予約時に 駐車場を確保することとなります。

これらは 入館前の基本ルールとなっていますが これを守らない一部の方が 口コミにクレームを入れている場合があります。その他にも 各種注意事項があるので 事前にチェックしてからの来訪を推奨します。

写真は 駐車場にある「柑橘山」の文字。ここからの参道は オープン5周年を記念して整備されました。

いよいよ江之浦測候所の中へ

駐車場から参道を抜けていくと 後述するストーンエイジ・カフェが見えます。その先へ進むと 写真の明月門が見えてきて その先に入口(受付)があります。

江之浦測候所は 午前の部・午後の部と分かれていて 予約した時間帯の中で自由に敷地内を見てまわることができます。

写真の明月門ですが 造られたのは室町時代と言われ かつては鎌倉 明月院の正門であった歴史的に とても価値のあるものです。この江之浦測候所では そのような 知ると「えっ?」と驚くものが 何気なく置かれているのです。

夏至光遥拝100メートルギャラリー

江之浦測候所に入って 最初に目にするものが この夏至光遥拝100メートルギャラリーでしょう。海抜100mの場所に一直線の100メートルギャラリーがあります。片面は大谷石・もう片面は柱の支え無しに37枚もの硝子板が自立しています。

タイトルにもある通り 夏至の朝には 海から昇った太陽が このギャラリーを一直線に通り抜けていくとのこと。

ちなみに 敷石については 京都市電の軌道敷石を使用しているそうです。この江之浦測候所では 石にもかなりの こだわりを持っているのが特徴です。

100メートルギャラリーの先端は展望スペースになっていて 相模湾を一望できます。

冬至光遥拝隧道

100メートルギャラリーから見下ろした場所には 石舞台がありました。その舞台を取り囲んでいるのは 江戸城の石垣のために切り出された巨石たちです。

そこには 何やらトンネルのようなものが…。これは 冬至光遥拝隧道です。夏至光遥拝100メートルギャラリーとクロスするように設置されていますが こちらも名前の通り 冬至の日の日の出が この隧道を駆け抜けて 巨石を照らすように設計されています。

光学硝子舞台と古代ローマ円形劇場写し観客席

先ほどの冬至遥拝隧道が写真に見えています。その隣に平行に設置されているのは 光学硝子舞台です。清水寺で採用されている懸造り(かけづくり)の上に光学硝子を敷き詰めて舞台が設置されています。舞台の周囲にはローマの円形劇場が再現され そこから硝子舞台を見ると さながら 海面に部隊が浮いたように見えます。

さて 光学硝子舞台の下にやってきました。下から見上げると 清水寺のような懸造りがわかるかと思います。そして 冬至遥拝隧道の上に人が立っています。

そうなんです。ここは 立ち入りが禁止されている場所でなければ 自由に散策していいのです。

敷地内を散策時の注意点としては 写真の「止め石」に気を付けるということです。敷地内の所々に こぶし大の石に紐を結んだ 止め石が置かれています。それは「この先に行ってはいけない」という印です。くれぐれも 止め石の先には行かないようにしましょう。

先ほどの 舞台を見上げた場所から 先へ進み 夏至遥拝100メートルギャラリーをくぐって 振り返ってみました。ギャラリーからの展望の良さが わかっていただけるでしょうか?

茶室「雨聴天」

さらに進むと見えてくるのが 杉本氏がこだわって造った茶室「雨聴天」です。その手前には石造りの鳥居が組まれています。

この茶室は 千利休が作ったとされる茶室「待庵」から着想を得て この地にあるもので それを再現しようとしています。また この茶室も 太陽の動きと密接な関わりがあり 春分・秋分の日の出時 太陽光は温かくこの茶室に入り込むそう。茶室の前には 光学硝子の沓脱ぎ石が光り輝くと言われています。

トイレは入口付近の待合棟内のみ

敷地内のトイレについては 入場時の夏至光遥拝100メートルギャラリーに向かい合うように建つ待合棟内にのみあります。広い敷地内を散策する際は トイレの場所やタイミングにも注意が必要です。

その待合棟内も硝子張りなので景色は最高です。中央にあるのは 樹齢千年を越える屋久杉 一枚板のテーブル。そのテーブルを支える片方は 高野山大観寺にあった水鉢が使われています。写真 壁奥の階段を下りていくと階下にトイレがあります。

鑑賞後はストーンエイジ・カフェへ

様々なアートを堪能した後に そのまま帰ってしまっては もったいないです。駐車場へ戻る前に こちらも こだわりが詰まった ストーンエイジ・カフェに立ち寄ってみませんか?

このストーンエイジ・カフェも ふんだんに石が使用されています。テーブルや座席にも 自然石に最小限の加工をした石が積まれています。また 写真で見てもわかる通りの絶景カフェです。

こちらでは この柑橘山で採れた果実を絞ったジュースを提供してくれるのですが そんな店舗の壁には「万時汁す(ばんじじゅーす)」の扁額が。ここにも 杉本氏のユーモアが見え隠れしています。

そんなカフェでいただいたのは 柑橘山で採れたマイヤーレモンのスカッシュです。無農薬で栽培されているということで 果実もたくさん入れてくれたのですが 全て皮ごと食べられるとのこと。これが 爽やかな風味。絶景を眺めながら爽快なスカッシュを飲む…最高の贅沢です。

さらに限定品というチョコブラウニーもいただきましたが。これが濃厚!だけど しつこくない。1個を1人で食べるにはなかなかのボリューム感。でも販売していたら必食の逸品です。

ゆっくり滞在したい江之浦測候所

穴場の超絶景アート施設 江之浦測候所。測候所…と聞くと 天候の測量をしている施設のように感じますが アート原点は自然を見つめることであり そんな自然や宇宙の動きの中で生かされている自分を見つめ直す場所かもしれません。

決して入館料が安いわけではありません。写真撮影に三脚が使用できなかったり 中学生未満が入館できなかったり…。でも 訪れる価値は十分にあります。その際には 事前にどんな場所か しっかりと調べて行った方がいいです。何気ない場所に 凄いものが置かれていたりします。それを素通りしてしまっては もったいないですよ。

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