2020年9月リニューアルの智積院会館に宿泊

宿坊に泊まったことはありますか?そもそも宿坊のイメージってどんなものでしょう?
・お寺に宿泊する ・質素な部屋と精進料理 ・朝のお勤めに参加しなければならない
こういったネガティブなイメージが多いかと思います。また それによって 宿坊に宿泊することを敬遠してしまっているのではないでしょうか?
今回は 京都 智積院の宿坊で 2020年9月に建て替えのリニューアルをした智積院会館に紅葉シーズンど真ん中に宿泊をしましたので その様子を ご紹介していきます。
真言宗智山派 総本山 智積院に隣接

今回宿泊した智積院会館ですが 真言宗 智山派総本山である 智積院に隣接しています。
〒605-0951 京都府京都市東山区東瓦町964 MAP
☎075-541-5363
徒歩5分の場所には 京都国立博物館や蓮華王院三十三間堂等があり 宿泊しての周辺散策にも恵まれた場所に位置しています。もちろん 智積院の散策には 智積院会館以上に アクセスに優れた宿泊施設はありません。

チェックイン時間は15:00~、チェックアウトは~10:00と 一般的な宿泊施設と大きな違いはありません。また 門限は23:00とされていて 気軽に夜の外出も可能です。
和洋室Bのお部屋に宿泊

今回は和洋室Bのお部屋に宿泊をしました。約30㎡ある広々としたお部屋で 手前にベッドが2台。奥に畳のスペースがあり ここに布団を敷くことによって最大3名まで宿泊が可能です。旅館と違う点は 布団は自分で敷くという点です。ベッドメイキングはしっかりとされています。

こちらが お部屋のトイレです。宿坊のトイレだからって和式で臭いなんてことはなく 今や洋式で最新の温水洗浄機付きです。お風呂とトイレも別になっている点は 地味に嬉しいです。

こちらが洗面エリアですが 最新のホテル並みにスタイリッシュです。あまりにお洒落すぎて 手をかざせば 水が出るのかと思いましたが 手前のお洒落なレバーが水のレバーとなっています。もちろんドライヤーも完備しています。

こちらが浴室です。広い湯舟に浸かることもできますし シャワーで済ませても良いでしょう。ですが 1階に大浴場があるので 基本的には使用しません。

こちらが 今回宿泊した和洋室Bからの眺めです。智積院会館の南側の景色です。ちょうど 夕陽が沈もうとしています。お部屋の冷蔵庫には サービスでミネラルウォーターが入っています。どうでしょう?京都市内で宿泊するにあたって 中途半端な…と言うと語弊がありますが それなりにレベルの高い宿泊施設だということが おわかりいただけたかと思います。
部屋で一服したら境内を散策

チェックインして夕食まで時間に余裕があるのであれば 境内を歩いてみることをおすすめします。訪問したのは11月の月末ということもあり 京都は紅葉の真っ盛り。見ごろの紅葉の中を散歩します。疲れれば すぐに部屋に戻れるのも 宿坊のメリットです。
男女別の大浴場で旅の疲れを洗い流す

京都市内の宿坊については 温泉では無いものの おおよそ 男女別の大浴場を兼ね備えています。ビジネスホテルやシティホテルでシャワーで済ませるよりも ゆっくりと大きい湯舟に浸かれば 心も体もリラックスできることでしょう。アメニティとして作務衣・スリッパが用意されていて 食事・大浴場へは 作務衣・スリッパでの移動もOKです。
夕食は1階のレストランで…

夕食は 1階にある智積院茶寮 桔梗でいただきます。あらかじめ予約をしていると予算い応じた京懐石をいただくことができます。予約をしていない場合でも 1階食堂は 通常の飲食店として営業しているので 夕食をいただくことが可能です。写真は 3,520円の桔梗というお重です。
宿坊の食事というと質素な精進料理をイメージするかもしれませんが 今や昔の話。今は 飲食部門のみアウトソーシングしているので 写真の通り お刺身等も普通に出てきますし 一品料理を注文して1杯やることも可能です。精進料理につきましては 希望すれば オプションとして用意をすることが可能です。
宿坊の朝はお勤めから始まる

宿坊の朝は 朝のお勤めで始まります。3月1日~11月30日は5:40に、12月1日~2月末日までは6:10にロビーへ集合をします。この朝のお勤めは強制参加ではなく自由参加です。ゆっくりと眠っていたい場合は 参加しなくてもOK。それでも せっかく宿坊に宿泊したのであれば 特別な体験をした方が良いでしょう。

僧侶の案内で 朝の誰もいない凛とした空気の境内を金堂まで歩いていきます。
ご本尊である大日如来のもと 僧侶たちの読経が響き渡る荘厳な空間でそっと手を合わせれば 非日常の体験ができることでしょう。椅子が用意されているので 正座する必要もなし。読経については 最初に経本(お経が掛かれたもの)が配られるので それを読めばいいだけ。読経が始まる前に 一連の流れの説明もあり また 読経中も 指示があるので その指示通りしていれば問題ありません。

金堂での読経が終わると 隣の明王殿へ。こちらでは 不動明王さまへ御祈願をします。荘厳な金堂とは違い 太鼓が鳴り 護摩木を焚いた知慧の炎は迫力があります。ご祈祷の後には 身代わりお守りが授与されます。
宿泊者は僧侶の案内で名勝庭園へ

朝のお勤めが終わった後ですが 宿泊者で希望者は 僧侶の案内による 名勝庭園の案内に行くことができます。この時間帯 名勝庭園は 宿泊者のみの貸切となっており宿泊者特典として無料で鑑賞が可能です。

中国の廬山を模したとされる名勝庭園です。

利休好みの庭と称される名勝庭園ですが 池の水が濁っています。これは 本家 廬山を模したもので 鯉を泳がせて その動きによって濁りを発生させているのでだそう。
そんなことも ただ見るだけでは わからず 僧侶の説明があってこそ。

庭を鑑賞できる大書院広間では 国宝の襖絵を見ることができます。ただ こちらはレプリカ。本物は宝物館で鑑賞することができます。レプリカのため 鮮やかな色使いとなっています。この絵が一部 繋がっていない理由等も 僧侶から伺うことができました。

こちらは 大書院 集会の間にある 現代作家 後藤順一さんの襖絵 百雀図です。襖には 数多くの雀が描かれているのですが どう数えても99羽しかいません。残りの1羽はどこにいるのか?正解は 写真奥に2枚ある襖のうち 右側の襖裏を覗くと最後の1羽を発券することができます。
ここも 通常の拝観時間では 集会の間に入ることは難しいのですが 朝の宿泊者貸切の時間帯は 僧侶の案内により拝見することができました。貴重な体験です。
智積院会館に戻って朝食

5時40分にロビーに集合し 朝のお勤めをして 名勝庭園を鑑賞。智積院会館に戻ると もう朝の8時です。2時間も過ぎていたんですね。1階で朝食をいただきます。
しっかりと歩いて お勤めを済ませた後の朝食は 不思議と美味しく感じます。

そんな智積院の朝食に提供される名物と言えば 写真の根来汁です。明王殿のお不動さまに お供えされ お加持された あずきが散らされたお椀です。これで 心も体も洗われる宿泊体験をすることができました。
チェックアウトは10時00分ですが 追加料金(1時間1,650円/人)を支払うことによって レイトチェックアウトも可能です。

宿坊 智積院会館の評価(各項目20点満点)
温泉・風呂(14点)京都の中心部にありながら 男女別の大浴場に ゆっくりと浸かることができるのは貴重。施設も新しく雰囲気も良い。
部屋・施設(16点)2020年にリニューアルされた施設は 部屋もモダンでスタイリッシュ。宿坊の部屋とは思えず 京都のホテルにも負けない施設。
夕食(12点)宿坊だから精進料理という固定観念を覆す料理。予約制の京懐石料理にすれば 数点アップは間違いなし。
朝食(13点)ボリューム感にやや欠けるか。とはいえ 智積院名物のありがたい根来汁をいただけるのは貴重な体験。
サービス・その他(20点)接客は問題なし。宿泊者が体験できる 朝のお勤め+僧侶が案内する名勝庭園は参加必須。この特別体験は 他の施設には無い大きな特徴だ。
合計(75点)宿坊という概念を根本から覆す 新しい時代の宿坊と言っていい施設。京都に宿泊するのであれば まずは智積院会館を候補に入れるべきだろう。
知恩院の宿坊 和順会館も スタイリッシュでおすすめです。
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