SHIINBLOG

旅ログ   グルメ情報&おでかけ情報

静岡の旅行会社「千代田タクシー 観光事業部」小澤卓也のブログです。

桜花爛漫 ~The Way I Walk~

千代田タクシー観光事業部ブログ

奄美大島空港でのバニラ・エア利用の車いす客が自力でタラップを上った件について

問題があったのは6月5日の奄美大島空港

f:id:apocket:20170628224619j:plain

*1

鹿児島県奄美市の奄美空港において6月5日バニラ・エア関西空港行きを利用した半身不随の車いす男性が階段式のタラップを腕の力だけで自力で上らされたとしてニュースになっているようです。

テレビでの報道を見る限りではバニラ・エアに問題があるような印象を受けます。実際にニュースを見て「ひどい会社だなぁ…」と感じた方もいることでしょう。今回はこの問題を深堀りしてみたいと思います。

 

まず、バニラ・エアにはどんな落ち度があって、どうすべきだったんでしょう?

実はこの「どうすべきだったのか?」に踏み込んで報道しているニュースは皆無です。その理由は簡単で、バニラ・エア側としては、現場職員がマニュアルを無視し、機転をきかせてサポートするくらいしか無かったというのが事実です。

 

奄美大島空港・LCC(ローコストキャリア)という特殊性

f:id:apocket:20170628225838j:plain

 

通常飛行機に乗るというと、搭乗口から写真のようなボーディングブリッジというものを通って機内に入りますよね?このボーディングブリッジがあるので、通常では車いすのお客様でも全く問題なく飛行機に搭乗することが可能です。

今回問題となった奄美大島空港も階段式のタラップだけでなく、このボーディングブリッジというものも1つですが、あります。今後は2カ所に増やして、タラップでの搭乗は減っていく傾向にあるんだそうです。

で、知られていない事ではあるんですが、実はこのボーディングブリッジですが、利用料というものがありまして、それは航空会社が負担をしています。

 

キーワードとしてLCC(ローコストキャリア)って聞いたことありますか?

ローコスト…つまりコストをとことん削減する航空会社のことです。機内サービスはもちろんのこと、今回話題になっているボーディングブリッジを使用せず、安いタラップにすることによって航空運賃を安く提供しているのです。

確かセントレアから沖縄に行った時も片道5000円ちょっとだったと思います。安いでしょ?安い分、サービスが無かったり、バスに乗ってタラップ上がってと不便だったりするんです。

そして、もう1つのキーワード「奄美大島空港」です。

LCCの場合はコストカットのため、やはりタラップを利用します。そして、奄美大島空港には車いす用の昇降機というものがありませんでした。

 

そこで、バニラ・エアではあらかじめ奄美大島へ行く乗客に対して、搭乗日の5日前までに申し出るようホームページ等で呼びかけています。

バニラ・エア(お手伝いが必要なお客様)

 

実は、今回の車いすの乗客はこのルールを知っていました。が、知っているけど申し出ませんでした。その理由は…

 

申し出ると搭乗を断られるかもしれないから

 

だそうです。自身のブログでしっかりと書かれています。つまり確信犯的に搭乗を決行しているわけです。奄美大島搭乗時も規則により空港の車いすに乗り換えを要請されるも拒否。強引に自分の車いすにてタラップまで移動しています。

航空各社はバニラ・エアに限ったわけではなく、ほぼ全社的に車いす利用の方に対して、事前の申告を求めています。それは、事前の準備や人員配置に必要な情報ですし、自立歩行が不可で介助者がいない場合は搭乗を拒否するケースも珍しくありません。

今回の男性は世界各国を旅して、その状況を知っているので故意に申告せず、直接空港に行ってゴネてゴネて搭乗するという荒業をやってきています。時には自力歩行ができないにもかかわらず「できる」と嘘をついて、無理やり今回のようにタラップを自力で這い上がることも何度もあるそうです。(本人のブログより)

さらには介助者無しで搭乗の場合は、自力でトイレができない場合は機内スタッフではサポートしきれないとの理由で、搭乗を断られるケースがあります。その際も、男性は「自力でトイレができる」と嘘をついて、実際は座席にて容器にこっそりしているとのこと。(本人のブログより)

障害を持っている人に対して、思いやりの心が必要なことは十分承知で、受け入れサイドとしては、極力努力をして受け入れるべきです。が、ここまでルールを故意に守らない場合にまで許容するべきでしょうか?

 

ちなみに、飛行機は空港に滞在する時間によって駐機料金というものも空港に支払っています。さらに定時出発できない場合はペナルティが発生する場合もあるとか…。その際に今回の男性が嘘をついて搭乗した場合、最悪出発が遅れるということも考えられます。その際駐機料金は航空会社の負担、要は他の利用者の負担となります。

 

確かに、健常者だけでなく、全ての人が何も気にしない完全バリアフリーな世界が実現すれば、どんなに素晴らしいことかと思います。それには膨大なコストも必要です。

 

だから我慢しろ!というわけではないんです。

ゆっくりではありますが、状況は変わりつつあります。今回の奄美大島空港に限って言えば、前倒しで設置が決まった昇降機も来月には配備される予定でした。今回の男性はその情報も知った上で、今回急な用事でもない奄美大島をリゾート訪問しているわけです。ん~、行くな!って言うんじゃ無いんです。そもそも、LCCを利用しなければ、車いすで普通に行けるわけですから。

わざわざ、今回の問題が起こるようにって深読みしたくなっちゃうんですよね。

 

そのように思いたくないですが、もう1つの疑問点が同行していた介助者です。

行きは違反とはいえ、車いすごと担いで降りたという方達ですが、今回の場面では腕だけで這い上がる男性に対して足首を持ってサポートとのこと。数人いたらしいですし、そもそも制止されなければ車いすを担いで搭乗予定だったわけですから。両肩そして背後とサポートすれば、難なく搭乗できたのでは?バニラ・エアも介助しての搭乗まで禁止しているわけではありません。(抱き上げやおんぶは安全上禁止されています。)

タイミングや状況からすると、このように問題にするためにトラブルを起こした可能性は排除できないと思います。まぁ、こんなこと事実だとしてもニュースでは決して言えないでしょうけど。そして、結果として昇降機の導入が前倒しされたわけなので、騒いだ効果はあったのかもしれません。

 

大事なことは…

健常者もそうでない方も、他人のことを思いやる心を持たなければいけないということです。

守られるべき人たちが「守ってもらって当たり前」と思った時点で「守られる必要がなくなってしまう」ということです。善意は受けるものであって、求めるものではないのです。

 

おでかけ情報はこちら

グルメ情報はこちら

*1:写真はイメージで実際の航空会社ではありません